【簡単おさらい】なぜ“うるう年”があるの?

【簡単おさらい】なぜ“うるう年”があるの?

今年もまた4年に1度のうるう年が来ました。私は今まで深く考えた事がなかったのですが、なぜ4年に1度、2月が通常より1日多く29日になるのか、皆さんは理由を知っていますか?

私は恥ずかしながら、詳しく知りませんでした。人にその理由を聞かれ、答えられなかった事にハッとして、改めて調べてみることにしました。

私と同じように詳しく知らない人の為にうるう年についての知識を共有いたします。

1年は365日ではない。

結論から言うと、うるう年は季節(暦のズレ)の調整をする為に設けられています。このことは何となく皆さん知ってますよね。

それは具体的にどう言う事かと言うと、知っての通り地球が太陽の周りを1周する時間は365日(1年)と言うことになっていますが、実は正確に言うと違うんです。

厳密には365.24219日かかるのです。

ですが暦の上では便宜上、0.24219日分は毎年切り捨てているのです。

それは1年ごとに、約6時間分(0.24219日)暦がズレることを意味します。太陽の周りを完全に1周する前に新たな年が始まることになるので、それが年を重ねる事で大きなズレとなり暦と季節が合わなくなっていきます。

ですから、4年に1回1日加えることで(1年366日にする)、そのズレを調整しようとするのがうるう年なのです。

1年ごとに約6時間切り捨てると言うことは、4年でほぼ1日分ズレるという事(6時間×4回=24時間=1日と言うこと)

もしうるう年が無かったら、400年後北半球の冬は夏になってしまうんですって!

4年に一度のうるう年が無い年もある?!

前述したとおり、4年に1度ずれた分(足りなくなった分)を調整するために1日を加える「うるう年」を設けることで、暦のズレを補正しますが、それでもなお暦はズレていきます。

こんどはうるう年を設けて1日を加えるということは、厳密に言うと加えすぎになるのです。

地球の公転周期は365.24219日。暦上は1年ごとに0.24219日分を切り捨てるので、4年でマイナス0.96876日ズレる計算になります。この“ほぼ”一日分(0.96876日)を補正するために、うるう年でキッチリ1日分(1.0日)を加える事になるので、厳密には0.032日分余分に加えていることになります。すなわち4年間で0.032日分の小さなズレが生じます。この小さなズレが400年で約プラス3日分(3.2日)のズレになっていきます。

この400年でプラス3日分のズレを調整するために、うるう年のルールが次のように定められているのです。

  • 西暦が4で割り切れる年をうるう年とする
  • 上記で、西暦が100で割り切れる年はうるう年としない
  • 上記で、西暦年が400で割り切れる年は必ずうるう年とする

このルールによって、400年で97回のうるう年が設けられることとなります。そうすることで、かなり誤差が小さくなり、暦と季節のズレは約3320年で1日となるのです。

なぜ4年に一度?なぜ2月?

そこで疑問ですが、なぜ4年ごとに1日加える方法で調整するのか?

例えば1年に一回6時間分加えて調整するやり方だと、翌日の日の出がズレる事になる。これは生活する上で都合が悪い。

となると、4年に一度1日加える方が、生活する上でもっとも不都合が少ないと言うことだからなのです。

ではなぜ2月にうるう日を設けるのか?他の月でも問題なさそうですが。

その理由は、歴史をさかのぼることになります。

今私たちが使っている暦は、「グレゴリオ暦」です。この暦は16世紀のローマ時代ローマ教皇グレゴリウス13世がその前に使用されていた「ユリウス暦」を改訂して制定した暦です。

この時代より前の暦では、1年が3月から始まり2月で終わっていました。ですから最後の月の最後の日にうるう日を加えるのは必然だったのです。その名残が「グレゴリオ暦」にも引き継がれ2月をうるう月としたのです。

グレゴリオ暦(グレゴリオれき、羅: Calendarium Gregorianum、伊: Calendario gregoriano、英: Gregorian calendar)は、ローマ教皇グレゴリウス13世がユリウス暦の改良を命じ、1582年10月15日(グレゴリオ暦)から行用されている暦法である。

グレゴリオ暦は、現行太陽暦として世界各国で用いられており、グレゴリオ暦を導入した地域では、ユリウス暦(旧暦)に対比して新暦(ラテン語: Ornatus)と呼ばれる場合もある[1]。紀年法はキリスト紀元(西暦)を用いる。

グレゴリオ暦の本質は、平年では1年を365日とするが、400年間に(100回ではなく)97回の閏年を置いてその年を366日とすることにより、400年間における1年の平均日数を、365日 + (97/400)日 = 365.2425日、とすることである。この平均日数365.2425日は、実際に観測で求められる平均太陽年(回帰年)の365.242189572日(2013年年央値)に比べて26.821秒だけ長いだけであり、ユリウス暦に比べると格段に精度が向上した。

日本では1872年(ほぼ明治5年に当たる。)に採用され、明治5年12月2日(旧暦)の翌日を、明治6年1月1日(新暦)(グレゴリオ暦の1873年1月1日)とした。

Wikipedia:https://ja.wikipedia.org/wiki/グレゴリオ暦

うるう日に生まれた人の誕生日はどうなる?

ここからは余談ですが、うるう年のうるう日(29日のこと)に生まれた人は、平年時(うるう年ではない年)には自分の誕生日が無いので、誕生日や戸籍上・行政上等の法的にはどのように対処しているのでしょうか?そんな疑問にお答えします。

まず2月29日(うるう日)に生まれた人は、いつ年を取るのか?

これはうるう日が誕生日の人に限らず、きちんと法律で決められていて、誕生日前日午後24時00分ということになります。

2月29日が誕生日の人は、2月28日午後24時00分に1つ歳を取るのです。

では戸籍・行政手続きはどうなのか?

基本的には誕生日の記載は、そのままうるう日の2月29日と記載して大丈夫だそうです。

運転免許の有効期限はどうなの?

免許証の記載には2月29日生まれの人は、そのまま2月29日と記載されています。

免許の有効期間はどうなのか?

免許証の有効期間の末日は更新を迎えた年の自分の誕生日から1ヶ月後。例えば、5月1日生まれの人が更新年を迎えた場合、6月1日まで有効ですが、2月29日生まれの人の場合はどうなのか。

その者の誕生日が二月二十九日である場合におけるこの表の適用については、その者のうるう年以外の年における誕生日は二月二十八日であるものとみなす。

道路交通法: 第九十二条の二 備考六

ということは、2月28日に生まれた人と同様に、2月29日に生まれた人は、うるう年以外に免許更新する場合は3月28日が期限となるみたいですね。1日短くなってしまうのでちょっとかわいそう。

最後に

ざっとうるう年についてご紹介いたしました。何となくうるう年について、おさらいできたでしょうか?

私は知らないことも多かったので、調べていて「なるほど〜」と連発していました。皆さんのお役に立てれば幸いです。

因みに下記の映像は、もしもうるう年が無かったらどうなるのかが分かるアニメーションです。よりうるう年について理解が深まります。

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